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その歯みがきは万病のもと⑦

きらら歯科 歯科助手の高見です。

今回は、リスク部分をピンポイントで磨く『ワンタフトブラシ』というものについてお話していきます。

ワンタフトブラシの使い方

デンタルフロスと歯間ブラシに比べて知名度は低いのですが、ワンタフトブラシも汚れが残りやすい場所を掃除するのに使う、大事な補助的掃除用具です。

薬局などで購入は可能ですが、使用するものや毛先のかたさによっては歯を傷つける可能性があります。

プロの歯みがき教室の講師の方が(株)オーラルケアの「プラウト」で毛先はソフトがオススメとお話ししていました。

上記の写真でも使用しています。

『タフト(tuft)』とは『房、束』の意味で、『ワンタフトブラシ』は一つの毛束の歯ブラシのことです。

先端に小筆のような小さな毛束がついていて、普通の歯ブラシでは届きにくい部分をピンポイントでみがくのに適しています。

使うタイミングとしては、歯ブラシで全体をみがく前に、みがきにくくて汚れが残りやすい“リスク部位”をこのワンタフトブラシでみがくと良いでしょう。

 具体的に“リスク部位”とは、次のようなポイントです。

  • 歯と歯ぐきの境目…境目をなぞるようにみがく
  • いちばん奥の歯…奥歯の後ろ側を意識して小刻みにみがく
  • 親知らずの周辺…生えている部分にしっかりとあてて、ぐるぐるとみがく
  • 被せ物の部分…被せ物の下に押し当てて前後左右にみがく
  • 上の前歯の裏側…しっかりと押し当ててぐるぐると円を描くようにみがく
  • 奥歯の噛み合わせ…溝にしっかり押し当ててぐるぐると円を描くようにみがく
  • 矯正装置の周り…歯と装置の境目に斜めに押し当てて前後左右にみがく
  • 歯並びの悪い部分…歯が重なっていたり斜めに生えている部分をみがく
  • 孤立歯(周りの歯が抜けて1本だけに孤立している歯)…周りをぐるぐるとみがく

 

使ったことのない人は、わざわざワンタフトブラシを使うのは面倒と思うかもしれません。

でも、こうした部分はいずれも歯ブラシではみがきにくく、汚れが残ってしまうために虫歯や歯周病の原因になりやすい部分です。

ピンポイントでみがけるワンタフトブラシを使ったほうがストレスなく、むしろ短時間でみがくことができると思います。

まとめ

理想的な「歯みがき=セルフケア」の方法は次のとおりです。

  • ワンタフトブラシでリスク部位をみがく
  • ふつうの歯ブラシで全体をみがく
  • 仕上げに、デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間の汚れを取り除く

この3ステップの歯みがきをぜひ習慣にしてください。

「歯みがきに3つもステップが必要なのか、面倒だな」と思うかもしれません。

でも、女性の方であれば、毎朝、化粧をするにあたって、「化粧水→乳液→化粧下地→ファンデーション」と3ステップ以上を毎回行っている方が多いのではないでしょうか。

それを考えると「ワンタフトブラシ→歯ブラシ→デンタルフロスor歯間ブラシ」という3ステップは決して多くはないと思いませんか?

 ただし残念ながら3ステップを踏んで丁寧に磨いていても完全に取りきることは不可能です。

ですから、歯みがきという毎日のセルフケアに加えて、歯科医院でのプロケアを定期的に受けることが不可欠なのです。

そのプロケアのことを「PMTC」といいます。

出典:SB新書 『その歯みがきは万病のもと』 相馬 理人 より